双極性障害(躁うつ病)とは
双極性障害は、気分の落ち込みや意欲の低下といったうつ状態と、気分が晴れやかでよくしゃべり、行動的となる躁状態を繰り返すような疾患のことをいいます。躁うつ病と呼ばれる場合もあります。
双極性障害では基本的にうつの状態が長く続くと考えられています。うつ状態が続きながらも、ある時期突如として極端に調子がよくなって活発になることがあるという場合は、双極性障害かもしれません。
双極性障害ではうつ病の治療薬である抗うつ薬の効果が乏しく、うつ病として抗うつ薬の治療をうけているにもかかわらず、なかなか回復にむかわないような場合は双極性障害として治療をおこなったほうが快方に向かう場合があります。
双極性障害(躁うつ病)の症状
どなたにでも気分が乗っている日もあれば、気分がいまひとつ乗らない日というのがあるとおもいます。これはごく自然なことで病気というわけではありません。
双極性障害での躁状態、つまりテンションが異様に高い状態が持続している状態とは、睡眠時間が明らかに短いの、翌日も元気に活動できるといった感じです。金銭的な余裕がないにも関わらず気分が大きくなってクレジットカードで高価な買い物をしてしまうこともあります。よくしゃべるようになり、いっぽうてきに会話をし続けるということもあります。周りの人たちが「どうもいつものあの人とは違う」と気づき、「ちょっとおかしいのでは?」と思えるほどその気分が行き過ぎていて、そのために周りの人たちが困惑したり、社会的信用を失うほどであれば、それは双極性障害の躁状態の可能性があります。
一方、双極性障害の抑うつ状態では、うつ病や気分変調症のようなエネルギーが低下している状態となります。何かをしようとする気になれなかったり、何かをしようと思っても行動に移すことができなくなります。頭がぼーっとしたり身体がだるかったり、何も話をする気になれないといったような状態です。
このような躁状態とうつ状態を一定期間繰り返し出現するのが双極性障害の症状となります。
双極性障害(躁うつ病)の治療
双極性障害の治療には気分安定薬に分類されるお薬を使用することが非常に有効です。
服用することによって気分の波の振幅を減弱させることができるようなお薬です。具体的にはバルプロ酸ナトリウム(商品名デパケン)、炭酸リチウム(商品名リーマス)、ラモトリギン(商品名ラミクタール)といった薬剤です。そのほかにも抗精神病薬のアリピプラゾール(商品名エビリファイ)などが用いられる場合もあります。
双極性障害の治療に、抗うつ薬を使用した場合、効果が乏しかったり、うつ状態から突如として躁状態となりやすくなったりする場合があるため、医師の診察のもと、慎重に薬剤選択をしていくこととなります。
いずれにしても、専門医の適切な診断と治療が必要になるため、気になる方はお早めにご相談ください。